プロジェクトストーリー足立区小学校新築工事プロジェクト

似鳥工務店が受注し、建築部に所属するSが現場代理人を務めた足立区の小学校建設プロジェクト。建築部の中堅で、この規模のプロジェクトを初めて任されることになった"S"の振り返りとともに、令和3年から5年の2月末まで行われ大きな達成感に満ちたこのプロジェクトを見ていきます。

建築部|S

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小学校の新築工事
30代でめぐってきたチャンス

2つの小学校が統合される計画の下に新設される小学校。のちに「足立区立鹿浜未来小学校」となるこの学校の校舎新築工事が始まったのは令和3年7月だった。建築部のSは工事現場における似鳥工務店の代表者として、工事の管理・運営、進捗、品質管理、安全管理などを管轄する現場代理人の役割を担うことになる。
「通常、マンションのような集合住宅の建設工事でも当社の社員は2名、多くて3名ぐらいが現場管理で参加することが多いのですが、この小学校建設工事では10名前後の社員が関わることになる非常に規模の大きなものでした。これまでいろいろな現場を経験してきて、いつか大きな規模の現場を任せてほしいという話はしてきたのですが、30代のうちにこうしたチャンスがもらえて、「やってやるぞ!」という気持ちと「大丈夫かな」という気持ちが入り交じるような感覚がありましたね。」(S)
S自身、それまでにも小学校や中学校の建設プロジェクトに携わった経験はあるが、それはあくまでサポート側としての役割を担ってのもの。現場の「要」となる「現場代理人」の立場で、発注者である足立区やともにプロジェクトを進める現場の社員、そして大勢の協力会社の作業員たちをまとめていくのは、彼にとって大きな挑戦でもあった。

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大規模プロジェクトならではの悩み
コミュニケーションがきっかけに

令和5年4月の開校に向けて、令和3年(2021年)7月にスタートした建設工事。工期は令和5年(2023年)2月いっぱいであり、そこに対して絶対に遅れるわけにはいかない。多くの人員を率いて、自治体との膨大なやり取りもこなしていく中で、Sを最初に悩ませたのは人員の適切な配置だった。
「プロジェクトにはさまざまな役割があります。発注者である自治体や設計監理者とやり取りをする書類仕事は私の役目でしたが、他にも設計図書から現場の作業員さんたちが作業しやすいように施工図を作成して、それをチェックする担当や、そこからさらに製作図にして実作業を行う人との橋渡しを行う役割、現場で作業している人の仕事をチェックし管理する者、安全管理を担う者だったり、プロジェクトが大きければ大きいほど、さまざまな役割分担が必要になります。まずは、これまで一緒に仕事をしたことのないメンバーもいる中で、誰にどの仕事をどのぐらい任せることがもっとも効率の良い進捗につながっていくのか。その割振りに頭を悩ませました。」(S)
また公共工事という特性なども考慮しなければならないポイントになったという。
「特に公共工事の場合は、作業内容の透明性が通常よりもさらに重要となるため、膨大な書類と承認プロセスが発生します。工事施工記録写真の撮影枚数は民間プロジェクトの倍以上となって、作業ごとにさまざまな書類を作成し、自治体担当者の承諾を得る必要があるんです。この担当に2〜3名のスタッフを配分しなければならないし、スタッフには自分よりも年齢が上でキャリアも豊富な方が多くいて、その方々に『指示を出す』ということも最初はなかなかなじまなかったりして、大変なこともありました。ただ、皆と細やかにコミュニケーションを重ねていくうちに、だんだんスムーズに現場がまわっていうようになったと思います。気兼ねなく言葉を交わして、コミュニケーションが取れる雰囲気というのは、当社の大きな強みの一つだと思っています。」(S)

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工期終盤に現れた不安
社内の力を結集してピンチを突破

プロジェクト終盤、それまで順調に進みながらも、少しずつたまっていったかすかな時間の「たわみ」のようなものが、工期終盤に不安となって現れた。
「それまでも決して大きく遅れていたわけではないのですが、最後の外構工事を検討しはじめる頃にはスタッフ間で『もしかしたら工期内に工事が終わらないかも』という不安が現れるようになりました。私自身、それほど経験があるわけではないので、どうすればラストの期間で作業を効率的に進めて、外構工事を間に合わせられるのか、頭を悩ませる日々が続きました。」(S)
その時に大きな力となったのが、他現場に参加していたベテラン社員だった。
「以前の私の上司なのですが、こうした大規模プロジェクトの経験も豊富で、どの作業とどの作業は同時に進められて、どのように効率化できるなどといった条件を、私から見ると魔法のように組み立てて進捗を管理できる方がいるのです。最後はその方に加わってもらい、外構工事までを皆で走り切りました。」(S)
人数は決して多くないけれど、社内には経験豊富なベテランや中堅が揃い、いざという時には心置きなく力を結集してくれる。そんな似鳥工務店らしさが最後に活きた形で、Sの挑戦は無事に竣工を迎えることとなった。

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子どもたちの楽しそうな姿に喜び
今後はさらに似鳥工務店らしい仕事を

後日、アフターメンテナンスで小学校を訪れると、そこには楽しそうに校舎の中で過ごす児童であふれていたとSは話す。
「子どもたちの楽しそうな顔を見て、本当に頑張って良かったと心から感じました。さらにこのプロジェクトは後日談があって、実は足立区が工事成績評定が優秀な施工を表彰する「優良工事施工業者」として褒状(賞状)を授与されたのです。私一人ではなく、社内のみんなで力を合わせたからこそ、子どもたちが喜ぶ学校が完成して、表彰までされることとなって、すごく良かったなと思っています。」(S)
この経験を今後にどのように活かしていくか、Sは次のように話している。
「この経験をしたことで、視点が個人から会社へと広がった気がします。これまでは自分がもっともっと経験を積んでいきたいという気持ちが強くありましたが、今は会社に貢献できるような大きなプロジェクトに参加したり、あるいは後輩の育成に力を注いだりしていきたいと思うようになりました。みんなの力を合わせやすいというのが当社の大きな特長ですから、私もそこに加わって、仲間と一緒にこれからも達成感や喜びを感じていきたいと思います。」(S)